日本ワインの誇り『甲州』~1000年の歴史と和の味わい~

ワイン入門者
甲州という品種の特徴を教えてください。

ワイン研究家
甲州は、日本のワイン用ぶどうとしては最も栽培面積が広く、ピンク色のグリぶどうです。日本酒や米を思わせる和の要素と、柑橘系のフレーバーが特徴です。

ワイン入門者
甲州で造られるワインの味わいはどんな感じですか?

ワイン研究家
甲州で造られるワインは、穏やかでしっとりとした味わいで、和食に寄り添います。辛口が主流です。
甲州とは。
甲州は日本のワイン用語で、日本固有のピンク色の皮を持つグリ系のブドウで、その歴史は1,000年以上にも及びます。日本のワイン用ぶどうの中で最も栽培面積が広く、日本酒や米を彷彿とさせる和の要素と、八朔や夏みかんのような日本の柑橘果実のフレーバーが特徴です。主張しすぎず、穏やかでしっとりとした味わいで、日本の食材や料理に寄り添うワインを生み出します。近年は、シュール・リー製法によるスッキリとした辛口が主流になっています。
甲州の Herkunft( Herkunftはドイツ語で「産地」の意味)

甲州葡萄の産地である日本には、独自の「ヘルフト(産地)」の概念があります。ドイツ語で「産地」を意味するヘルフトは、ワインの味わいや品質に影響を与える地理的、気候的条件の組み合わせを表しています。日本のワイナリーでは、甲州葡萄を栽培するのに最適な土地を見極め、その土地の固有の特性をワインに反映させようと努めています。甲州の主要な産地には山梨県、長野県、栃木県があり、それぞれが異なる気候や土壌条件を持ち、独特の味わいのワインを生み出しています。
甲州の味わい

甲州の味わいは、その繊細さと複雑さが特徴です。甘みと酸味のバランスがよく、ほのかなマスカットの香りが漂います。口に含むと、さわやかな果実味としっかりとしたミネラル感を感じることができます。わずかにタンニンが含まれており、後味にほろ苦さがあります。
甲州の特徴は、その軽やかさと飲みやすさです。アルコール度数は通常11〜13%程度で、食事との相性が非常に優れています。和食はもちろん、シーフードやチーズとも好相性です。甲州特有の繊細な味わいは、料理の味を引き立てながら、同時に料理の邪魔をしません。
甲州と シュール・リー製法

シュール・リー製法とは、ワインの発酵後、澱(おり)の上で熟成させる製法のことです。甲州ワインでは、この製法によって酵母由来の複雑な風味とコクがもたらされます。
甲州ワインのシュール・リー熟成期間は数か月から数年と幅広く、熟成期間が長いほど、より複雑で豊かな風味になります。近年、甲州ワインの生産者の中には、この製法を積極的に取り入れ、甲州の持つ和の味わいをさらに引き出すことに成功しています。
料理とのマリアージュ

料理とのマリアージュでその真価を発揮する甲州ワイン。淡麗で食中酒に適していることから、和食との相性が抜群です。酸味が効いているため、寿司や刺身などの生魚を使った料理とよく合います。
また、柑橘系の香りとほのかな苦みが、天ぷらや焼き鳥などの揚げ物・焼き物料理の脂っぽさをすっきりさせます。さらに、野菜の甘みや旨味を引き立て、煮物や和え物などの野菜料理との相性も良好です。
甲州の未来

甲州の未来は、この伝統的な品種の明るい展望を示しています。近年、生産者が革新的な醸造技術を採用し、甲州からより複雑で洗練されたワインを生み出すことに成功しています。低温発酵により果実味を強調し、樽熟成により構造と深みを加えることで、甲州ワインはかつてない高みに達しています。また、スパークリングやオレンジワインなど、新しいスタイルも登場しており、甲州の可能性を広げています。これらの進歩により、甲州は従来の食事向けのワインから、世界中で通用する洗練された多様なワインへと進化しています。