甘口?辛口?ワイン用語「セミセコ」残糖度との関係
ワインの甘味度と残糖度について

ワインの甘味度は、発酵時にブドウ果汁内の糖分がアルコールに変換される度合いによって決まります。
発酵が完全に進むと、ワインは辛口(ドライ)になり、糖分はほとんど残りません。一方、発酵を途中で止めたり、意図的に糖分が加えられたりすると、甘口のワインが生まれます。このようにアルコール発酵の進行度合いによってワイン内の残った糖度のことを『残糖度』といいます。
EUでは、残糖度の表示基準が数値で決まっており、例えばスペインのスパークリングワインの場合だと、
【左に行くほどドライ】Extra Brut(超・極辛口)⇛ Brut ⇛ Extra Seco(超・辛口)⇛ Seco(ドライな)⇛ Semi-Seco ⇛ Dulce(甘い)【右に行くほど甘口】という段階があります。国によって呼称の単語は違いますが、表示基準に使う残糖度の段階自体は統一されています。
ちなみに、辛口という言葉は、塩分や香辛料のような辛さを表わしているのではなく、「甘くない(ドライ)」という方が表現としては正しいです。
セミセコ(Semi-Seco)とは。

ワインの用語「セミセコ(Semi-Seco)」は、スパークリングワインとスティルワインとで残糖度の基準値が異なります。
1.スパークリングワイン
– スペイン語で「半甘口」を意味する。
– フランスでは「ドゥミ・セック(Demi-Sec)」、イタリアでは「セミ・セッコ(Semi-Secco)」と呼ばれる。
– EUのワイン法では、残糖量が32~50g/L(許容範囲±3g/L)と定められている。
2.スティルワイン
– スペイン語で「薄甘口」を意味する。
– EUの規定では、残糖量が12g/L以下のやや辛口のワインと定められている。
スパークリングワインにおけるEUの基準

スパークリングワインにおけるEUの基準では、甘さのレベルに基づいてスパークリングワインを分類しています。EUの基準では、1リットルあたり残糖度が32~50gのワインが「セミセコ」と分類されます。
この糖分量は、ワインに適度な甘みを与え、バランスの取れた風味を生み出します。EUの基準は、スパークリングワインの甘さを明確に定義し、消費者にとって透明性と一貫性を確保しています。そのため、EU圏内では「セミセコ」ラベルの付いたスパークリングワインは、常に同様の甘さのレベルを期待できます。
スティルワインにおけるEUの基準

スティルワインにおけるEUの基準では、甘さのレベルに基づいてスティルワインを分類しています。EUの基準では、1リットルあたり残糖度が4~12gのワインが「セミセコ」と分類されます。
この糖分量は、ワインにわずかな甘みを与えますが、口当たりはやや辛口です。EUの基準は、スティルワインの甘さを明確に定義し、消費者にとって透明性と一貫性を確保しています。そのため、EU圏内では「セミセコ」ラベルの付いたスティルワインは、常に同様の甘さのレベルを期待できます。
セミセコを選ぶ際のポイント

セミセコワインは多様な料理に合うことから、購入の際に迷ってしまうかもしれません。料理との相性や、品種、産地などを意識しておくと選びやすくなるでしょう。
料理との相性:セミセコは、甘みと酸味のバランスが良いので、幅広い料理と合わせることができます。特に、チーズ、デザート、エスニック料理などとの相性が良いです。例えば、シーフードやサラダなどの軽い料理には軽めのセミセコ、ステーキやパスタなどの濃厚な料理にはコクのあるセミセコが適しています。
品種:セミセコに使用されるブドウ品種は、シャルドネ、マカベオ、パレリャダなど様々です。品種によって味わいが異なるので、お好みの品種を選ぶのもおすすめです。
産地:スペインのカバが有名ですが、イタリアのスパークリングワインや、スティルワインでもセミセコを見つけることができます。
おすすめのセミセコワインのご紹介
ここでは人気のあるセミセコワインを、スパークリングワインとスティルワインで2本ずつご紹介します。
ロジャーグラート カヴァ プラチナ ドゥミ セック:セミセコ(スパークリングワイン)
果実の自然の甘みが爽やかなスパークリングワインです。厳選された一番搾り果汁のみを贅沢に使用。香りの豊かさとふくよかさは、上質のシャンパンを彷彿とさせます。洋ナシやモモなどのジューシーな果実味が余韻までまろやかに広がり、豊かでフレッシュな酸味とのバランスが絶妙です。甘やかながらミネラルを感じる上品な味わいです。合う料理は、ホワイトソース、エビや帆立貝の塩焼きや天ぷら、ポークスペアリブ、フルーツ全般。
マルティーニ アスティ スプマンテ:セミセコ(スパークリングワイン)
すっきりと爽やかな飲み口で、豊かな香りとともに、フルーティーな味わいが広がります。ブドウ本来のナチュラルな甘さが生かされた甘口タイプ。アスティは、モスカート・ビアンコ種100%で造られるDOCGワインです。合う料理は、ペストリー、タルト、ジェラート、フルーツサラダ、パストーネ。
トリッテンハイマー アポテーケ リースリング カビネット:セミセコ(スティルワイン)
「アポテーケ」はモーゼルのトリッテンハイム村を代表する畑。爽やかな酸味とフルーティな味わいが口いっぱいに広がるスッキリとしたやや甘口ワインです。
トリッテンハイマー アポテーケ リースリング カビネット:セミセコ(スティルワイン)
1995年からビオディナミを実践するヴーヴレのドメーヌ。ジャスミンや蜂蜜の香りにミネラルが加わる穏やかなワインで、ほのかな酸味とも自然に調和しています。