2025-11-23

醸造用語について

ペティヤンとは、発酵途中に瓶詰めされ、炭酸ガスを瓶内で自然発酵によって得たスパークリングワインのことです。第二次発酵は行われないため、瓶内圧は低く、コルク栓で封をすることなく王冠栓が用いられます。 ペティヤンの特徴は、ほんのりとした微炭酸の泡立ちと、発酵途中に瓶詰めされたため果実味や鮮やかさが際立つ味わいにあります。また、濁りがあるものも多く、酵母や天然の澱がワインの風味に複雑さを加えています。
ナチュラルワイン(ナチュールワイン)とは、できるだけ自然に近い形で造られるワインを指します。化学物質や添加物の使用を最小限に抑え、ブドウ本来の味わいを生かすことを目指しています。自然酵母で発酵させ、ろ過や清澄化も行いません。そのため、ワインに濁りや沈殿物ができることが特徴です。
ワインの欠陥臭とは、ワインに本来あるべきでない異臭のことで、「オフフレーバー」とも呼ばれます。欠陥臭はワインの品質を大きく損ない、せっかくのワインを楽しむことができなくなってしまいます。欠陥臭にはコルク臭、酢酸臭、還元臭など様々な種類があり、ワインの製造や保存の過程での汚染、さらにはコルクの劣化などの外的要因によって生じることがあります。
ワインの用語「バリック」とは、ワインを熟成させるための樽のことです。一般的にオーク(楢)の木で作られており、ワインに独特の風味を与える役割を果たします。サイズは通常225リットルで、バレルとも呼ばれています。ブルゴーニュ地方では「ピエス」と呼ばれ、サイズは228リットルです。樽の内側をバーナーで焼いて焦がすことで、独特の芳ばしい香りがワインに移ります。バリック熟成されたワインは、果実の風味を持ちながら、バニラのニュアンスやトースト香が加わり、複雑かつ豊かな味わいになります。
ワインの補酸とは、ブドウが十分に熟成して酸味が不足している場合、ワインの発酵前または発酵中に酒石酸などの酸を加えることで、ワインの酸味を調整する作業のことです。
ミレジムが指す意味には大きく分けて2つあります。1つ目は英語での「収穫年」を指すヴィンテージ。つまり「ワインの原料となったブドウが収穫された年」のこと。2つ目は、主にフランスのシャンパーニュ地方では、ある年に収穫されたブドウのみで造られたシャンパーニュのことを、「ミレジメ」や「ヴィンテージ・シャンパーニュ」と呼びます。ミレジメは、優れた年や表現したい個性を持った年にのみ造られることが多く、ノン・ヴィンテージのシャンパーニュよりも希少価値が高く、高額でリリースされることが多いです。
バローロ・リゼルヴァとは、最高品質のネッビオーロ種ブドウを使用した、熟成期間の長い赤ワインのことです。通常のバローロよりもさらに長い熟成期間が定められており、その深みのある味わいと複雑なアロマが特徴です。生産地域はイタリア北西部のピエモンテ州ランゲ地区に限定されており、厳格な生産規定によりその品質が守られています。
ロゼ・デ・リセーとは、フランス、シャンパーニュ地方で造られるロゼワインのA.O.C.(原産地統制呼称)のこと。シャンパーニュといえば発泡性のスパークリングワインが有名ですが、ロゼ・デ・リセーは静かに熟成された希少な非発泡性のスティルワインです。味わいの点でも独自の特徴を備えています。冷涼な地域で育ったブドウは、酸度が高くなるため、ピノ・ノワールも洗練された、シャープな味わいに仕上がります。
セミセコ(Semi Seco)とは、スペインのスパークリングワインの半甘口、またはスティルワインの薄甘口を指すテイスティング用語。『セミセコ』はもともとスペイン語で「ややドライ」という意味で、スパークリングワインの残糖量を示す言葉だよ。EUのワイン法では32~50g/Lと決められている。スティスワインの場合は、残糖量12g/L以下のやや辛口のワインを指す。
オーク樽とは、オークの木材を使用して作られた樽のことです。ワイン樽として用いられることが多く、その特徴的な風味や熟成効果がワインに付与されます。オークの木は多孔性で、ワインが樽の壁を通してゆっくりと空気に触れることを可能にします。この空気に触れることによってワインは酸化し、独特の複雑味と風味を獲得します。また、樽の内部は焦がされており、この焦がしがワインに香ばしさやバニラのようなアロマをもたらします。
オー・ド・ヴィ―とは、ワイン用語で、語源はフランス語で「命の水」を意味する「Eau de vie(オー・ド・ヴィー)」に由来し、様々な果実や穀物を原料に作られる蒸留酒の総称です。ブランデーの一種と捉えられることもありますが、ブランデーが主にブドウを原料とするのに対し、オー・ド・ヴィーはブドウ以外の果実・穀物を原料とする点が大きな特徴です。
フロールとは?ワインの熟成に不可欠なヴェールのような酵母層のことです。産膜酵母と呼ばれる特殊な酵母がワインの表面に集まり、酸素との接触を遮断してワインの酸化を防ぎます。フロールは、シェリー酒やマデイラワインなどの、長期熟成を経たワインに見られる特徴です。
濾過とは、ワインから固形物や混濁物を除去するために使用するプロセスです。これは、ワインを安定させ、望ましい色や風味を維持するために不可欠な手順です。濾過工程では、ワインを粒子を捕らえるフィルターに通し、不要な物質を取り除きます。一般的に、フィルターの細かさによって、除去される粒子の大きさが決まります。
魅惑の藁ワインの世界へようこそ!その起源と伝統を探ってみましょう。 藁ワインの歴史は古く、紀元前5世紀頃の古代ギリシャに遡ります。当時、ぶどうは藁の束の上に置かれて、日干しされていました。この方法により、水分が徐々に蒸発し、糖分が濃縮されるため、甘くて濃密なワインが得られました。中世ヨーロッパでは、藁ワインの製造が広く行われるようになり、修道院や貴族の間で珍重されました。
ワインをグラスに注ぐと、液体の縁に薄い筋が現れ始め、それが「脚」と呼ばれています。これらの「脚」は、ワインの粘性やアルコール含有量、糖分の濃度を反映しています。粘性の高いワインは「脚」がゆっくりと流れ落ち、アルコール含有量の高いワインは「脚」が短く、糖分の多いワインは「脚」が長く続きます。
ワイン造りにおいて野生酵母は、ブドウ果実に自然に存在する微生物です。これらは、ブドウの皮や、茎、そして時には土壌からも由来します。人工的な酵母とは対照的に、野生酵母はワインメーカーによって意図的に添加されず、ワイン発酵プロセスを自然に開始します。
-「門出のリキュール」って何?- ワインの世界には、「門出のリキュール(VIN D'HONNEUR)」という用語があります。これは、婚礼や記念日などのお祝い事の最初に供されるカクテルのことです。通常、スパークリングワインにフルーツリキュールやブランデーを加えて作られます。 「門出のリキュール」は、お祝いムードを高める乾杯用ドリンクとして、披露宴やパーティーのオープニングを華やかに演出する役割を果たします。口当たりが良く、爽やかな甘さと華やかな香りが特徴で、ゲストと歓談しながらゆっくりと楽しむのに適しています。 お祝いのテーブルに欠かせない「門出のリキュール」は、その日の特別な瞬間をさらに彩る、欠かせないアイテムと言えます。
ワインの熟成を語る上で欠かすことのできない要素が「木樽」です。木樽とは、オークなどの広葉樹を曲げて作った円筒形の容器で、主にブドウを発酵させたり、ワインを貯蔵・熟成させたりするために使用されます。 木樽は、ワインの味わいに非常に大きな影響を与えます。木樽はワインにオーク由来の独特の香りとフレーバーを付与し、また微量の酸素をワインに浸透させることで熟成を促進させます。さらに、木樽はワインのタンニンを柔らかくし、複雑味とまろやかさを加えます。
補糖とは、ワインのアルコール発酵を終了する前にぶどう果汁に糖分を加えることです。これは、ワインのアルコール度数や甘さを調整するために使用されます。糖分を追加することで、酵母はさらにアルコールを生成できます。 このプロセスは、ぶどうの天然糖分が十分に発酵していない場合によく使用されます。ワインメーカーは、特定の味わいやスタイルのワインを造るために補糖を使用することもあります。
ワインの樽熟成において欠かせない重要な作業が「補酒」です。補酒とは、樽から蒸発などで失われたワインを、同じワインまたは同等のワインで補充することです。補酒の主な目的は「酸化防止」です。 ワインは酸素に触れると酸化し、風味が損なわれてしまいます。樽熟成中は、樽の隙間などから微量の酸素がワインに触れます。補酒を行うことで、樽内のワインの量を補充し、酸素に触れるワインの表面積を減らすことができます。これにより、ワインの酸化を防ぎ、品質を維持し続けることができます。
-瓶内二次発酵とは?- 瓶内二次発酵とは、ビールの一次発酵後に瓶詰めし、酵母と糖分をさらに加えて、瓶の中で再発酵させる手法です。このプロセスにより、ビールには独特の炭酸ガスが生成され、風味と香りが複雑になります。瓶内二次発酵ビールは一般的に、二次発酵中に発生する独特の酵母の風味と、瓶の底にたまる酵母の沈殿物が特徴です。
瓶内熟成期間は、スパークリングワインの風味と複雑さに不可欠なプロセスです。この期間中、ワインは酵母と接触し、発酵を経て炭酸ガスが発生します。この炭酸ガスがワインに溶け込み、あの特徴的な泡立ちを生み出します。 また、瓶内熟成期間は、ワインを複雑で洗練されたアロマや風味へと熟成させるのにも役立ちます。酵母自体もワインに風味を加え、ナッツやパン、ブリオッシュのような香りを発展させます。熟成時間が長くなると、さらに複雑な香りと味わいが生まれ、蜂蜜、トースト、ドライフルーツなどのニュアンスが形成されます。
ワインにおける瓶熟成とは、ワインを瓶に入れて一定期間保存するプロセスです。瓶熟成の目的は、ワインの風味を調和させ、複雑にすることです。この熟成期間により、ワインは酸素との接触が減り、還元環境が保たれます。これにより、果実味や酸味などのワインの特性が、時間の経過とともに調和して複雑なブーケを生み出します。
「瓶詰め」とは、ワインをボトルに詰めて栓をする工程を指します。この工程では、発酵や熟成を終えたワインを瓶に移し、酸素との接触を遮断するためにコルク栓や合成栓で密封します。瓶詰めは、ワインの品質と保存性を保つ重要なプロセスです。