ワインを飲むとき、その奥深い味わいや香りに感動したことはありませんか?その魅力の裏には、「マスト」と呼ばれる重要な要素が隠れています。ワインのマストとは、ブドウから作られる発酵前の混合物で、ワイン醸造の心臓部ともいえる存在です。
ワインを手に取ると、ラベルには様々な情報が書かれています。産地、ブドウ品種、ヴィンテージ…その中でも、ワインの味わいを大きく左右する要素の一つが「残糖量」です。「甘口」「辛口」といった表現はよく耳にしますが、具体的に何が違うのでしょうか?残糖量の秘密を知れば、ワイン選びがもっと楽しく、奥深くなること間違いなしです!
シスト土壌は、片岩と呼ばれる岩石が風化した土壌で、ワイン栽培に適した特徴を持っています。水はけがよく、ミネラルを豊富に含んでいるため、ブドウはミネラルを吸収し、土壌の個性を受け継ぎます。
ペティヤンとは、発酵途中に瓶詰めされ、炭酸ガスを瓶内で自然発酵によって得たスパークリングワインのことです。第二次発酵は行われないため、瓶内圧は低く、コルク栓で封をすることなく王冠栓が用いられます。
ペティヤンの特徴は、ほんのりとした微炭酸の泡立ちと、発酵途中に瓶詰めされたため果実味や鮮やかさが際立つ味わいにあります。また、濁りがあるものも多く、酵母や天然の澱がワインの風味に複雑さを加えています。
ナチュラルワイン(ナチュールワイン)とは、できるだけ自然に近い形で造られるワインを指します。化学物質や添加物の使用を最小限に抑え、ブドウ本来の味わいを生かすことを目指しています。自然酵母で発酵させ、ろ過や清澄化も行いません。そのため、ワインに濁りや沈殿物ができることが特徴です。
ワインの欠陥臭とは、ワインに本来あるべきでない異臭のことで、「オフフレーバー」とも呼ばれます。欠陥臭はワインの品質を大きく損ない、せっかくのワインを楽しむことができなくなってしまいます。欠陥臭にはコルク臭、酢酸臭、還元臭など様々な種類があり、ワインの製造や保存の過程での汚染、さらにはコルクの劣化などの外的要因によって生じることがあります。
ワインの用語「バリック」とは、ワインを熟成させるための樽のことです。一般的にオーク(楢)の木で作られており、ワインに独特の風味を与える役割を果たします。サイズは通常225リットルで、バレルとも呼ばれています。ブルゴーニュ地方では「ピエス」と呼ばれ、サイズは228リットルです。樽の内側をバーナーで焼いて焦がすことで、独特の芳ばしい香りがワインに移ります。バリック熟成されたワインは、果実の風味を持ちながら、バニラのニュアンスやトースト香が加わり、複雑かつ豊かな味わいになります。
ワインの補酸とは、ブドウが十分に熟成して酸味が不足している場合、ワインの発酵前または発酵中に酒石酸などの酸を加えることで、ワインの酸味を調整する作業のことです。
北イタリア・フリウリ地方の宝石と称されるレフォスコ・ダル・ペドゥンコーロ・ロッソは、その土地に根ざした魅惑的なブドウ品種です。この地域は、豊かな歴史と文化が息づくアルプス山脈の麓に位置し、ブドウ栽培に最適な条件が整っています。レフォスコ・ダル・ペドゥンコーロ・ロッソは、その独特な特徴と魅力的な風味で知られており、フリウリ地方のワイン造りに重要な役割を果たしています。
ペイ ドックはフランス最大の IGP(地理的表示保護)指定地域であり、その広大な土壌と気候の多様性が、豊かなワインの生産を可能にしています。この地域は、西はピレネー山脈、東はローヌ川に囲まれ、北は中央高地、南は地中海に接しています。ペイ ドックのワイン生産の歴史は古く、紀元前7世紀にはギリシャ人がぶどう栽培をもたらしたと言われています。その後、ローマ人、中世の修道士、さらには現代のワインメーカーによってこの伝統が受け継がれてきました。
フルーリーってどんなワイン? フルーリーは、ボジョレーの10のクリュ産地の1つで、エレガントで熟成に適した赤ワインを産出することで知られています。ピノ・ノワールを使用しており、フルーリー地区特有の花崗岩土壌からミネラルのニュアンスを得ています。一般的に、フレッシュな赤系果実の香りと、柔らかなタンニンが特徴で、熟成によって複雑さと深みが増します。フルボディのワインでありながら、エレガンスとバランスを備え、繊細さと力強さの絶妙な調和を生み出しています。
ミレジムが指す意味には大きく分けて2つあります。1つ目は英語での「収穫年」を指すヴィンテージ。つまり「ワインの原料となったブドウが収穫された年」のこと。2つ目は、主にフランスのシャンパーニュ地方では、ある年に収穫されたブドウのみで造られたシャンパーニュのことを、「ミレジメ」や「ヴィンテージ・シャンパーニュ」と呼びます。ミレジメは、優れた年や表現したい個性を持った年にのみ造られることが多く、ノン・ヴィンテージのシャンパーニュよりも希少価値が高く、高額でリリースされることが多いです。
プレパラシオンは、ビオディナミ農法という、宇宙のリズムと自然の力を尊重した独自の農業方法の中で使用される調合剤です。牛の角にシリカを詰めたものや、イラクサの浸出液など、自然界から得られる成分を原料とし、特別な製法で作られます。プレパラシオンは、単に肥料を補給するだけでなく、土壌の微生物のバランスを整え、植物の生育を促す働きがあります。
バローロ・リゼルヴァとは、最高品質のネッビオーロ種ブドウを使用した、熟成期間の長い赤ワインのことです。通常のバローロよりもさらに長い熟成期間が定められており、その深みのある味わいと複雑なアロマが特徴です。生産地域はイタリア北西部のピエモンテ州ランゲ地区に限定されており、厳格な生産規定によりその品質が守られています。
「エステート」は、英語では「地所」を意味しますが、ワイン用語においては、ワイン生産者が自社のブドウ畑で栽培したブドウのみを使用してワインを製造することを指します。つまり、ブドウの栽培から収穫、ワインの醸造まで、全てを一貫して自社で行うことを意味します。主にアメリカ、ニュージーランド、オーストラリアなどの英語圏の生産者で使用されています。エステートワインは、そのブドウ畑の固有のテロワールを反映しており、ブドウ畑の気候、土壌、標高などの要因がワインの風味に影響を与えています。
ベト病は、カビの一種である糸状菌が原因で発生する植物の病気。ワイン用ブドウの三大疾病(ベト病、ウドンコ病、灰色カビ病)のひとつ。主に葉に発生し、植物の種類によって症状は異なりますが、一般的には葉の裏側に白いカビが生えるのが特徴です。このカビが植物の養分を吸収し、生育を阻害します。
ロゼ・デ・リセーとは、フランス、シャンパーニュ地方で造られるロゼワインのA.O.C.(原産地統制呼称)のこと。シャンパーニュといえば発泡性のスパークリングワインが有名ですが、ロゼ・デ・リセーは静かに熟成された希少な非発泡性のスティルワインです。味わいの点でも独自の特徴を備えています。冷涼な地域で育ったブドウは、酸度が高くなるため、ピノ・ノワールも洗練された、シャープな味わいに仕上がります。
セミセコ(Semi Seco)とは、スペインのスパークリングワインの半甘口、またはスティルワインの薄甘口を指すテイスティング用語。『セミセコ』はもともとスペイン語で「ややドライ」という意味で、スパークリングワインの残糖量を示す言葉だよ。EUのワイン法では32~50g/Lと決められている。スティスワインの場合は、残糖量12g/L以下のやや辛口のワインを指す。
アルコール発酵とは、ブドウの果汁や果醪(マスト)を樽やタンクに入れて、酵母という微生物の力で果汁中の糖分をエタノール(アルコール)と二酸化炭素に分解される生化学反応のこと。酵母はあらかじめ添加することもできますが、ブドウや醸造所に自然に付着している酵母を利用することもあります。
アペラシオンとは、ワインの生産地域を特定し、その地域で生産されたワインの品質を保証する制度です。アペラシオンは、ブドウ畑の土壌、気候、栽培方法、醸造方法など、ワインの生産に関するさまざまな要素を考慮して設定されます。各アペラシオンには独自の規則があり、ワインの品種、アルコール度数、熟成期間などが厳格に定められています。アペラシオンの認定を受けるには、ワインはこれらの規則に厳格に従って生産され、品質が検査機関によって承認されなければなりません。
ワインボトルのキャップシールは、コルクが乾燥しないよう保護し、ボトルの口元を守るための覆いです。錫、アルミ、プラスチックなどがあり、蝋で封入される場合もあります。キャップシールの役割は、①ボトルを密封する。②ボトルを開けやすくする。③ブランドアイデンティティの強調、④偽造防止、⑤瓶詰日の表示などがあります。
-オロロソとは?-
オロロソとは、スペインのアンダルシア地方で生産される酒精強化ワインの一種です。ペドロ・ヒメネス、パロミノ、モスカテルなどの白ブドウ品種から造られ、オーク樽で長期熟成されます。
オロロソの特徴は、その独特な風味と琥珀色の外観です。ナッツ、ドライフルーツ、スパイスの香りと、まろやかでコクのある味わいが特徴です。熟成期間の長いものは複雑さと深みが増し、より希少で価値あるワインになります。
オーク樽とは、オークの木材を使用して作られた樽のことです。ワイン樽として用いられることが多く、その特徴的な風味や熟成効果がワインに付与されます。オークの木は多孔性で、ワインが樽の壁を通してゆっくりと空気に触れることを可能にします。この空気に触れることによってワインは酸化し、独特の複雑味と風味を獲得します。また、樽の内部は焦がされており、この焦がしがワインに香ばしさやバニラのようなアロマをもたらします。
余市は、今では北海道最大のワイン産地として知られています。その理由の一つが、海に面したなだらかな丘陵地に広がる垣根仕立ての葡萄畑です。この風光明媚な地形は、ブドウ栽培に理想的な環境を提供しています。垣根仕立ては、ブドウの木を低く保ちながら、陽光と空気の流れを最大化する栽培方法です。この環境により、ブドウは最適に成熟し、複雑で風味豊かなワインが生み出されます。