ワインの敵? 味方に? ケルセチンとは

ワイン入門者
ケルセチンってワインの用語なんですけど、料理とかで聞いたような気がするんですが…

ワイン研究家
ケルセチンはワインの用語で、ブドウの皮に含まれるポリフェノールの1種です。抗がん作用や抗菌作用があることが報告されています。

ワイン入門者
なるほど、ワインの品質には影響ないんですよね。

ワイン研究家
そうです。ワインの見た目を損なう場合もありますが、味わいや品質には影響しません。
ケルセチンとは。
ワインに含まれるケセルチンの用語。健康食品などでも利用されている物質です。フラボノイドという骨格を持ち、抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用などの効能が報告されています。ブドウの皮に含まれるポリフェノールの一種で、ワインにも含まれます。
ワイン中のケセルチンは、タンパク質と結合すると固まって目に見える形で析出し、ワインの外見を損ねることがあります。ただし、析出してもワインの風味や品質に影響はありません。ただ、見た目があまりよくないため、敬遠される傾向があります。
ケセルチンは、ワインの醸造過程では一般的に発生しません。瓶詰後の熟成中に多く生成されることが一般的です。ブドウ栽培時の気温上昇の影響か、2014年以降のヴィンテージからワイン業界で問題視され始めました。
醸造過程で添加剤を使用することで除去できますが、その際にタンニンや酸味も失われてしまうため、多くのワイン生産者は処理を行いません。添加剤の使用によって、ワイナリーの独自の個性やオーガニック認証が失われることを懸念しているからです。
ケルセチンの特徴

ケルセチンの特徴は、多くの植物に含まれる天然の抗酸化物質です。フラボノイドの一種で、ポリフェノール化合物に分類されます。ケルセチンは、果物、野菜、ハーブ、お茶などに広く分布しています。抗酸化作用に加え、抗炎症作用や抗ウイルス作用も有することが知られています。体内で、ケルセチンは炎症を軽減したり、血管の健康を維持したり、特定のタイプの癌細胞の増殖を抑制したりするのに役立つと考えられています。
ワインにおけるケルセチン

ワインにおけるケルセチンは、ポリフェノールの一種で、ワインに独特の風味や色を与えます。ケルセチンは赤ワインに豊富に含まれており、その抗酸化作用で知られています。赤ワインを飲むことで、心血管疾患のリスクを軽減し、炎症を抑えるのに役立ちます。しかし、過剰に摂取すると、頭痛や吐き気などの副作用が現れる可能性があります。したがって、ケルセチンの健康上の利点を享受するには、適度なワインの摂取が推奨されています。
ケルセチンの影響

-ケルセチンの影響-
ケルセチンは多くの有益な効果を明らかにしていますが、同時に望ましくない影響も一部報告されています。
ケルセチンの抗酸化作用は、特定の疾患のリスクを軽減するのに役立つ可能性があります。また、抗炎症作用は心臓病やがんの進行を遅らせるのに役立つ可能性があります。
ただし、ケルセチンの過剰摂取は吐き気や嘔吐などの副作用を引き起こす可能性があります。また、一部の薬と相互作用して、その効果を弱めたり、副作用を増やしたりする場合があります。
概して、ケルセチンは安全で有益な化合物ですが、過剰摂取を避け、薬との相互作用に注意することが重要です。
ケルセチン対策

ケルセチン対策
ケルセチンを過剰に摂取すると、頭痛、吐き気、下痢などの症状を引き起こす可能性があります。そのため、ケルセチンをサプリメントで摂取する場合は、推奨される摂取量を守ることが重要です。また、ケルセチンはグレープフルーツジュースや牛乳に含まれるフラボノイドと相互作用することがあります。これらの飲料を飲んでいる場合は、ケルセチンサプリメントを摂取する前に医師に相談してください。さらに、ケルセチンは一部の薬物と相互作用する可能性があるため、医薬品を服用している場合は、サプリメントを摂取する前に医療従事者に相談することが不可欠です。
ワインメーカーの対応

ワインメーカーの対応
ワインメーカーはケルセチンの存在を認識しており、その影響を軽減するためにさまざまな対策を講じています。ケルセチンによる渋味の増加を防ぐために、ブドウの収穫時期を調整したり、より完熟したブドウを選別したりしています。また、ケルセチンを分解する酵素を含む酵母や細菌をワインの発酵プロセスに使用したり、発酵中にケルセチンと反応して渋味を緩和する物質を添加したりしています。さらに、熟成工程でワインを樽で熟成させることで、ケルセチンがタンニンと結合して渋味が穏やかになることを利用しています。