無灌漑とは、畑に人工的な灌漑を行わず、雨水のみでブドウを栽培する方法です。この手法は、ブドウの根がより深く地下に伸びることを促し、水資源が豊富な土壌から水分や栄養素を吸い上げさせます。その結果、ブドウはより凝縮され、複雑味が増した果実になります。無灌漑栽培は、ブドウの自然な成長を尊重し、土地のテロワールを最大限に引き出すことを目的としています。
白ワインとロゼワインは、残糖度によって細かく分類されています。残糖度とは、ワインに含まれる発酵を終えていない糖分の量を指します。
白ワインの場合、残糖度が最も低いのが辛口で、残糖度1リットル当たり4グラム未満です。これに対して、残糖度が12グラム以上ある甘いワインは甘口と呼ばれます。中間には、4~12グラムの半甘口があります。
ロゼワインも同様で、残糖度が4グラム未満の辛口、12グラム以上の甘口、そして4~12グラムの半甘口に分類されています。
北海道のワイン産業は近年、注目を集めています。その豊かな土壌と涼しい気候が、ブドウ栽培に適しており、優れたワインを生み出しています。北海道のワイン生産の歴史は比較的短く、商業的に生産が始まったのは1960年代ですが、急速に成長しています。
この成長には、地元のワインメーカーの情熱と、政府の支援が寄与しています。北海道政府は、ワイン産業の開発を積極的に支援しており、ブドウ栽培の研究やワインメーカーへの助成金を提供しています。その結果、北海道では、ピノ・ノワールやシャルドネなど、さまざまな品種のブドウが栽培され、多様なワインが生産されています。
ワインのラベルや解説を読むときによく目にする「泡」という用語。もともとは、ワインを口に含んだときに感じる「舌触り」や「口当たり」を表す言葉です。ワインの液体の中に溶け込んでいる二酸化炭素が、刺激や圧力を感じさせるような感覚のこと。スパークリングワインやシャンパンのような炭酸ガスを多く含むワインだけでなく、軽やかな炭酸感があるワインや、熟成によって発生した細かな炭酸ガスによる泡立ちのあるワインにも使われます。
プルミエクリュの定義
「プルミエクリュ」とは、フランスのブルゴーニュ地方で生産されるワインに用いられる格付けの1つです。ブルゴーニュ地方は、勾配の緩やかな丘陵地帯が特徴で、その斜面には「テロワール」と呼ばれる、ブドウ栽培に適した土地があります。プルミエクリュは、これらのテロワールの中でも特に優れた区画に指定された畑のことを指します。具体的には、栽培条件やブドウの品質が一定の基準を満たしていると認められた畑がプルミエクリュに格付けされます。
「グラッシー」と「ハーベイシャス」は、ワインのテイスティングでよく使われる用語です。どちらも「青々しい」や「草のような」というニュアンスを持っていますが、微妙な違いがあります。
グラッシーは、主に白ワインで感じるもので、剪定されていない芝生や切りたての草、ピーマンなどの緑の葉物野菜の香りや味が特徴です。この風味は、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなどの特定のブドウ品種に由来します。
一方、ハーベイシャスは赤ワインによく見られるもので、より成熟した青草、干し草、またはセージなどのハーブのニュアンスを帯びています。この風味は、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなどのブドウ品種の熟成過程で発生します。ハーベイシャスは、一般的にグラッシーよりもスパイシーで複雑な風味とされています。
捧仕立ての特徴
捧仕立てとは、ワインの熟成方法のひとつです。オーク樽ではなく、より中性的な性質を持つ大樽やコンクリートタンクで熟成を行います。この方法では、ワインにオーク樽由来の香りが付かず、ブドウ本来の風味がより純粋に引き出されます。また、大樽やコンクリートタンクは通気性が低いため、ワインの酸化が抑えられ、新鮮でフルーティーな味わいになります。
補糖とは、ワインのアルコール発酵を終了する前にぶどう果汁に糖分を加えることです。これは、ワインのアルコール度数や甘さを調整するために使用されます。糖分を追加することで、酵母はさらにアルコールを生成できます。
このプロセスは、ぶどうの天然糖分が十分に発酵していない場合によく使用されます。ワインメーカーは、特定の味わいやスタイルのワインを造るために補糖を使用することもあります。
ワインの樽熟成において欠かせない重要な作業が「補酒」です。補酒とは、樽から蒸発などで失われたワインを、同じワインまたは同等のワインで補充することです。補酒の主な目的は「酸化防止」です。
ワインは酸素に触れると酸化し、風味が損なわれてしまいます。樽熟成中は、樽の隙間などから微量の酸素がワインに触れます。補酒を行うことで、樽内のワインの量を補充し、酸素に触れるワインの表面積を減らすことができます。これにより、ワインの酸化を防ぎ、品質を維持し続けることができます。
ワインの用語ソルビ酸
微量で使用される防腐剤
ソルビ酸は、ワインの品質を保護するために使用される防腐剤です。ワインの腐敗や発酵の防止に役立ちます。しかし、ソルビ酸は微量のみ使用されます。ワイン1リットルあたり数ミリグラム以下が一般的です。この量は、ワインの風味や香りに悪影響を与えることなく、ワインを保護できます。
-瓶内二次発酵とは?-
瓶内二次発酵とは、ビールの一次発酵後に瓶詰めし、酵母と糖分をさらに加えて、瓶の中で再発酵させる手法です。このプロセスにより、ビールには独特の炭酸ガスが生成され、風味と香りが複雑になります。瓶内二次発酵ビールは一般的に、二次発酵中に発生する独特の酵母の風味と、瓶の底にたまる酵母の沈殿物が特徴です。
瓶内熟成期間は、スパークリングワインの風味と複雑さに不可欠なプロセスです。この期間中、ワインは酵母と接触し、発酵を経て炭酸ガスが発生します。この炭酸ガスがワインに溶け込み、あの特徴的な泡立ちを生み出します。
また、瓶内熟成期間は、ワインを複雑で洗練されたアロマや風味へと熟成させるのにも役立ちます。酵母自体もワインに風味を加え、ナッツやパン、ブリオッシュのような香りを発展させます。熟成時間が長くなると、さらに複雑な香りと味わいが生まれ、蜂蜜、トースト、ドライフルーツなどのニュアンスが形成されます。
ワインにおける瓶熟成とは、ワインを瓶に入れて一定期間保存するプロセスです。瓶熟成の目的は、ワインの風味を調和させ、複雑にすることです。この熟成期間により、ワインは酸素との接触が減り、還元環境が保たれます。これにより、果実味や酸味などのワインの特性が、時間の経過とともに調和して複雑なブーケを生み出します。
「瓶詰め」とは、ワインをボトルに詰めて栓をする工程を指します。この工程では、発酵や熟成を終えたワインを瓶に移し、酸素との接触を遮断するためにコルク栓や合成栓で密封します。瓶詰めは、ワインの品質と保存性を保つ重要なプロセスです。
-カビ系の病害-
ワインの生産において、「病害」という言葉は、ブドウ樹やブドウに対して有害となる病気を指します。カビ系の病害は、ワインの生産に深刻な影響を与える一般的な病害の一種です。これらの病害は、ブドウ樹の葉、果実、枝にカビの増殖を引き起こし、生育の阻害、果実の収量の低下、さらにはワインの品質の低下に至る可能性があります。
カビ系の病害を引き起こす一般的な菌類には、ブドウ疫病を引き起こす《Plasmopara viticola》や、白ブドウカビ病を引き起こす《Uncinula necator》などが含まれます。これらの病害は、湿気の多い気候やブドウ樹が密集している条件で発生する傾向があります。適切な病害管理戦略を実施することで、カビ系の病害の発生を抑制し、ワインの生産を保護することができます。
非発泡性ワインとは、炭酸ガスを含まないワインのことです。スパークリングワインやシャンパンとは異なり、非発泡性ワインは瓶詰めする前に二次発酵が施されません。その結果、泡のない、滑らかな舌触りと豊かな味わいが特徴です。
晩腐病とは、ブドウの木に発生するカビの一種で、ブドウの皮を薄くし、果汁を濃く、甘くする働きがあります。この状態のブドウは「貴腐ブドウ」と呼ばれ、ワイン造りに適しています。晩腐病は、特定の種類のボトリティス・シネレアというカビによって引き起こされ、ブドウが完熟したときに、霧や湿度のある条件下で発生します。カビはブドウの表皮の小さな傷から侵入し、果汁を吸い上げながら果実を分解します。この過程で、水分の蒸発が促進され、ブドウの果汁は濃縮されます。残された糖分はブドウの自然な甘味を増強し、晩腐病がかったブドウはワインに独特の複雑さと深みをもたらします。
ワインの「テロワール」という概念は、そのワインができる葡萄が育った土地固有の環境を指します。テロワールは、土壌、気候、地形、植生、そして人間による栽培方法など、葡萄の栽培に影響を与えるあらゆる要素を含みます。これらの要素が複雑に相互作用し、その地域の葡萄に独特の風味と特徴を与えます。
ワイン通垂涎の抜栓テクニックを習得する鍵となるのが、ワインの栓の種類と特徴を理解することです。それぞれのタイプの栓には固有の利点があり、ワインの風味と保存能力に影響を与えます。
プルミエ・クリュとは、フランスのワイン産地における畑格付けシステムにおいて、格付けの1つです。ブルゴーニュ地方とボルドー地方がその代表で、特筆すべき畑、またはその畑から生み出されるワインに与えられます。プルミエ・クリュは、最高ランクの「グラン・クリュ」に次ぐ第2位のランクとされています。プルミエ・クリュに格付けされる畑は、その土壌、気候、日照条件などが優れ、品質の高いワインを生み出すことで知られています。そのため、プルミエ・クリュワインは、通常、スタンダードクラスのワインよりも価格が高くなります。
-プルールとは何か?-
「プルール」とは、ワイン造りの用語で、ぶどうの皮や種子を含んで醸造される赤ワインのことです。ワイン醸造において、ぶどうの果皮には色素やタンニンが含まれており、これらはワインの特徴的な色彩や渋味に影響を与えます。プルールは、ぶどうの皮と種子を発酵と熟成の過程で含むことで、通常の赤ワインよりも濃く、フルボディのワインになります。
-プリムール・テイスティングとは?-
プリムール・テイスティングとは、まだ熟成されていない若いワインを試飲する特別な機会です。通常、ワインがリリースされる1年前に開催され、ワインメーカーが彼らの最新のヴィンテージをお披露目します。これらのワインは、オーク樽から直接または発酵槽から直接テイスティングされます。プリムール・テイスティングは、ワイン愛好家が、ワインの将来の可能性を垣間見る貴重な機会となっています。
プリオラトとは、スペイン北東部カタルーニャ地方にあるワイン産地です。標高400~800メートルに位置し、険しいスレート岩地帯が特徴です。この独特なテロワールは、太陽光をたっぷりと浴びたブドウに、豊かなミネラルと複雑な風味をもたらします。
プリオラート地方は、カタルーニャ州最南端に位置するワイン生産地で、そのワインはスペインの「新聖地」として高い評価を得ています。多様な土壌や急峻な斜面を特徴とするこの地域は、カリニャン、ガルナチャ、シラーなどのブドウ品種が栽培されています。
プリオラートの特徴は、豊かな赤ワインです。これらのワインは、ミネラルのニュアンスを帯びた果実味豊かなアロマと、しっかりとしたタンニンを持ち、複雑で長期熟成に耐えうるものが多いです。また、近年では白ワインやロゼワインの生産にも注力がされており、高品質なワインを生み出しています。
2001年には、プリオラートがD.O.Caに認定されました。これはスペインのワイン法における最も高いカテゴリーであり、この地域が世界的に認められた名産地であることを証明しています。