ボジョレーの「女王」フルーリーの魅力
フルーリーとは、どんなワイン?

ブルゴーニュ地方のボジョレー地区で作られる赤ワインに「フルーリー」と呼ばれるA.O.C.があります。これは、ボジョレー地区の中でも特に優れた10の村から造られるクリュ・ボジョレーの一つで、「ボジョレーの女王」と呼ばれています。
クリュ・ボジョレーの中で最もバランスが良く、エレガントな味わいを持つとされています。ピノ・ノワールを使用しており、フルーリー地区特有の花崗岩土壌からミネラルのニュアンスを得ています。一般的に、フレッシュな赤系果実の香りと、柔らかなタンニンが特徴で、熟成によって複雑さと深みが増します。
フルボディのワインでありながら、エレガンスとバランスを備え、繊細さと力強さの絶妙な調和を生み出しています。
フルーリーが「ボジョレーの女王」と呼ばれる3つの理由

ボジョレーの「女王」と呼ばれるフルーリーには、その称号にふさわしい多くの理由があります。
①まず、その希少性です。わずか180ヘクタールという小さな地区でしか栽培されておらず、ボジョレー全体の生産量のわずか1%に過ぎません。この限定された生産量は、フルーリーを独占的なワインにしています。
②さらに、フルーリーのブドウは、ボジョレーの他の地区とは異なる花崗岩質の土壌で育ちます。この土壌は、ブドウに独特のミネラル感とエレガントさを与えています。その結果、フルーリーのワインは、フルーティーでフローラルなアロマ、そして滑らかなタンニンが特徴的です。
③最後に、フルーリーは熟成能力が高いことで知られています。一般的にボジョレーのワインは若飲みが推奨されますが、フルーリーは5年から10年程度熟成させてもその品質を発揮します。熟成により、ワインは複雑味と深みを増し、タンニンがより滑らかになります。
フルーリーのエレガントな味わいの秘密

フルーリーの魅力は、何と言ってもそのエレガントで繊細な味わいにあります。ボジョレーの他のクリュの中でも際立つフルーリーを特徴づけるのは、滑らかなテクスチャーと、赤い果実と土のようなニュアンスのバランスが絶妙なことです。
このエレガントな味わいの秘密は、いくつかの要因が重なっています。まず、フルーリーの特徴である優良な土壌があります。粘土と石灰質の混合土壌は、ブドウの木に適度なストレスを与え、凝縮感のあるブドウの生育を促します。
さらに、フルーリー地区のブドウ畑は、朝霧が頻繁に発生する谷間に位置しています。この湿潤な環境は貴腐菌の発達を促し、ブドウに豊かなフレーバーと複雑さを与えます。これらの自然の要素が組み合わさって、フルーリーに独特でエレガントな味わいを生み出しています。
フルーリーに合う料理

フルーリーと相性のよい料理は数多くあります。軽やかな果実味と繊細な酸が特徴のこのワインは、さまざまな料理の味を引き立てます。
白身の魚、特にバターソースやレモンソースで調理したものが、フルーリーの繊細な風味とよく合います。また、鶏肉料理、豚肉のグリル、野菜のテリーヌなど、軽めの肉料理にもよく合います。
フルーリーの爽やかな酸味は、チーズの洗練された風味にもマッチします。特に、ヤギのチーズやブルーチーズなどのクリーミーなチーズとの相性は抜群です。
また、フルーリーはデザートともよく合います。フルーツタルトやチョコレートムースなどの甘さ控えめのデザートに添えると、ワインの繊細な風味をさらに引き立たせます。
フルーリーの長所と短所

ボジョレーの「女王」フルーリーは、その優れた品質と複雑な味わいで高い評価を得ています。長所としては、まずその赤ワインの驚くべき深みとコクが挙げられます。典型的なボジョレーワインのフルーティーさと軽快さとは対照的に、フルーリーはフルボディで、タンニンが豊富で、熟成によって洗練された複雑さとエレガンスを獲得します。
しかし、フルーリーの唯一の欠点としては、そのコストを挙げることができます。他のボジョレーワインと比較すると、フルーリーはより高価です。その理由は、限られた生産量と、複雑で時間のかかるワイン造りのプロセスにあります。それでも、その優れた品質と熟成ポテンシャルを考慮すると、フルーリーは高級ワイン愛好家にとって十分な投資価値があります。
フルーリーA.O.C.のおすすめワインをご紹介!
ボジョレーと言えば、日本では11月の第3木曜日に解禁される「ボジョレー・ヌーボー」が有名ですが、ボジョレー地区で生産されるヌーボー以外のワインも楽しんでみてはいかがでしょうか?今回ご紹介したクリュ・ボジョレーの一つ「フルーリーA.O.C.」のおすすめワインをご紹介します!
ジョルジュ デュブッフ フルーリー
ボジョレーの帝王と称される名醸造家ジョルジュ デュブッフが、ボジョレーの理想の味わいを追求し、醸し出すボジョレーワイン。フルーリーは、「花」という意味。その名の通り、ユリやアイリスを思わせる甘い香りが漂う、優しい口当たりのワインです。ボジョレー地区の中でも最も格上に位置づけられるクリュ・デュ・ボジョレー(10の村名ボジョレー)のうちの一つです。
ジャン・フォワヤール フルーリー
新鮮な赤いベリーにシャクヤクの甘い花の香りが重なって、若さと色気が同居する何とも言えないアロマ。鉱物的なミネラルを感じるツヤのある液体は旨みも感じられ、儚く消えそうでしみじみとした味わいが細く長く残るという、円熟の境地に達したジャン フォワヤールだからこそ生み出せる味わい。
フルーリー キュヴェ タルディヴ
最上の特級・クリュ・ボジョレー愛好家大注目!ワイン評論家のヒュー・ジョンソン氏に「最上のボージョレのクリュで、いちごの香りと絹のようなやわらかなきめが快楽中枢をわくわくさせる」と3つ星★★★で絶賛する究極フルーリー!野生のダークチェリー、ブラックベリー、青や赤の花々の豊かなアロマ!熟したチェリー、カシス、ラズベリーに加え、土、ハーブ、紅茶などの複雑なフレーヴァーが広がり、美しい骨格とミネラルを備える。