ワインのSO2のすべて

ワイン入門者
SO2ってなんですか?

ワイン研究家
ワインに添加される二酸化硫黄のことだよ。ワインの酸化を防ぐ抗酸化作用をはじめ、抗菌作用や酸化酵素の働きを抑える効果もあるんだ。

ワイン入門者
亜硫酸塩無添加のワインにもSO2があるんですか?

ワイン研究家
そうだね。亜硫酸塩無添加は、添加していないことを示しているだけで、空気中や発酵によって自然に発生したSO2が含まれているんだ。それが義務表示の対象から外れているだけなんだよ。
SO2とは。
ワインで「SO2」と呼ばれる二酸化硫黄は、硫黄を燃やしたときに発生する物質で、亜硫酸や亜硫酸塩とも呼ばれます。
ワインに添加される主な目的は、抗酸化作用を利用してワインの酸化を防ぐことです。また、抗菌作用、酸化酵素の働きを抑える作用、酸化してしまったワインの調整効果も持ちます。
SO2は添加する場合は表示が義務付けられていますが、空気中にも存在しており、ワインの醸造過程でも発生します。そのため、亜硫酸塩無添加をうたうワインにも、わずかなSO2が含まれることがあります。
ワインの裏ラベルには、「酸化防止剤(亜硫酸塩)」などの表現で添加の有無が記載されています。
SO2とは?

-SO2とは?-
二酸化硫黄(SO2)は、ワインにおける極めて重要な添加物の一種です。無色のガスで、刺激臭が特徴です。ワインメーカーは、ワインの発酵、保存、酸化防止などのためにSO2を使用しています。
SO2は何世紀も前からワインの製造に使用されており、その抗菌性と抗酸化性が認識されています。発酵過程で、SO2は酢酸菌や乳酸菌などの有害な微生物の増殖を抑制します。また、ワイン中の亜硫酸塩とビタミンC(アスコルビン酸)との反応によって、酸化を防ぎ、ワインの香りや風味を保ちます。さらに、SO2はワインの褐変を防ぎ、透明性を維持するのに役立ちます。
ワインに添加する目的

-ワインに添加する目的-
ワインの保存性向上亜硫酸塩は抗酸化物質として働き、ワインの酸化や褐変を防ぎます。これにより、ワインのフレッシュな果実味や風味を長期間保つことができます。
微生物のコントロール亜硫酸塩は殺菌作用があり、ワインを傷める細菌や酵母の増殖を抑制します。これにより、ワインが酢酸発酵したり、過度に濁ったりするのを防ぎます。
マロラクティック発酵の抑制一部のワインでは、亜硫酸塩はマロラクティック発酵を抑制するために使用されます。この発酵では、ワイン中のリンゴ酸がよりマイルドな乳酸に変換されますが、過度に行われるとワインの風味バランスを崩す可能性があります。
酸化酵素の阻害亜硫酸塩は、酸化酵素の反応を阻害し、ワイン中のフェノール化合物の酸化を防ぎます。これにより、ワインのタンニンや色調をより安定させ、時間が経ってもその特性を維持することができます。
SO2のさまざまな効果

SO2のさまざまな効果
二酸化硫黄(SO2)は、ワイン製造における重要な添加物であり、その効果は多岐にわたります。まず、SO2は強い抗酸化剤として働き、ワインの酸化を防ぎ、変色や異臭の発生を抑制します。さらに、SO2は抗菌作用を有しており、ワインの細菌や酵母による腐敗を防ぎ、ワインの寿命を延ばします。また、SO2はマロラクティック発酵を抑制し、ワインの酸味を保つのに役立ちます。さらに、SO2はワインの香りに微妙な影響を与え、複雑さと奥深さを加えることができます。ただし、過剰なSO2の使用はワインの品質を損なう可能性があるため、適切な量はワインのスタイルや個々のニーズに応じて慎重に決定する必要があります。
表示の義務

-表示の義務-
日本における食品表示法では、ワインに亜硫酸塩が含まれている場合、その旨をラベルに表示することが義務付けられています。これは、亜硫酸塩が一部の人にとってアレルギー反応や喘息発作を引き起こす可能性があるためです。表示は、製品1リットルあたり10mg以上の亜硫酸塩が含まれている場合に必要であり、通常は「亜硫酸塩含有」と記載されています。
この義務は、消費者が情報に基づいた選択を行えるようにするため、またアレルギーを持つ人がワインを安全に楽しめるようにするために重要です。また、亜硫酸塩の過剰摂取を防ぐのにも役立ち、健康上の問題を回避できます。
亜硫酸塩無添加ワインにも含まれるSO2

亜硫酸塩無添加ワインにも含まれるSO2
ワインの瓶には「亜硫酸塩無添加」と表示されていることが多いですが、実際にはこのワインにも少量の亜硫酸塩(SO2)が含まれています。これは、ワインの発酵中に自然に生成されるためで、無添加ワインであっても約10〜20mg/Lが含まれています。この量は少量ではありますが、硫黄の香りを放ったり、一部の人にはアレルギー反応を引き起こしたりすることがあります。